トップ画像4月14日2013年4月4日発売
3DS『ポケット農園』
ゲームレビュー
親父・横顔(通常)


これやろうぜ〜!
これ〜! 

僕・正面(口あける)


えーっと・・・『ポケット農園』?

親父・正面(笑顔)


ああ。
3DSで4月4日に発売された『ポケット農園』っていうゲームだ。
海外なんかでは「Farming Simulator」シリーズとして、ファンも多いんだぜ!

僕(普通)


何するゲームなの?

親父・正面(通常)


さー。
農業をする・・・ということ以外、 何も分からん。

僕・正面(しら~)


・・・よく、プレイする気になったね。

親父・横顔(むっつり)


突撃あるのみ!
早速プレイしてみるか!

FarmingSimulator2012_3DS_Box_new
僕・正面(うるうる)


なんか、パッケージからしてシュールだ・・・。

親父・横顔(通常)


お。
ゲームが起動したみたいだぞ。 

僕・正面(笑顔)


まずは難易度設定をするみたいだね。
とりあえず「ふつう」を選んでおこっか。 

僕(えーっと・・・)


・・・あ。
なんも説明なく、突然農場に放り出された。
まず、何すればいいんだろう? 

親父・正面(ちょっぴり不安)


俺は、トラクターに乗った状態なのか。
アナログスティックで方向を入力して、Bボタンで前進。Aボタンで後退ができるようだ。

親父・横顔(泣き)


さっきから、ぐるぐる散歩はしてるんだが、なにもイベントが起きないなぁ。
マップだけは、やたらと広いぜ! 

僕(へー)


説明がないから、目的もわからないねー。
とりあえず、目の前に広がっている小麦畑を耕せばいんじゃない?
小麦を刈り取ってみようよ。 

ss3
親父・横顔(通常)


おおお!!
刈り取れた!!
刈り取れた!!! 
(刈り取るという発想にいたるまで、現実時間で10分)

僕(泣き)


す・・・すごい。
ようやくゲームは始まった・・・
草を刈り取っただけで、感動したの・・・僕、初めただ・・・。 

親父・正面(あきれ顔)


それにしても、操作が難しいな・・・
現実の車にかなり似た操作感で、車体が大きいから小回りが取りづらいぜ! 

僕(呆れ笑)


それは慣れていくしかないんじゃない?

僕・正面(口あける)


・・・あ。
この下の画面に付いてるハンドルのマークは何だろう。

IMG_2892
親父・正面(乱心)


おおお!!
勝手に動かしてくれる! 

僕(えー笑)


簡単な刈り取り動作なんかは、AIが自動で切り替えてくれるんだね。

親父・横顔(むっ)


・・・そうなると、ただ刈り取り風景を見るだけになるなぁ・・・
刈り終わるのをひたすら待つしかないか。 

僕・正面(通常)


下画面で、マップや作物の卸売価格の推移なんかを見ることができるみたいだけどね。
これを見て待ってようよ。 

親父・横顔(ほー)


マップや卸価格以外にも、新しい耕作機を購入できるショップも下画面で見ることができるんだなー。

IMG_2891
親父・正面(ちょっぴり不安)


この「Deutz-Fahr K420」っていうトラクターは凄いのだろうか・・・

僕・正面(慎重)


機械の説明がないから、どんな性能なのかわからないねー・・・
でも、今使ってるトラクターよりも速くて小回りが効くんじゃない? 値段高いし。 

親父・横顔(ほー)


金が溜まったらいつか、こんなトラクターが買いたいぜ・・・ 

親父・正面(呆れ顔)


・・・というか、人生で初めてトラクターのカタログをまじまじと見たわ・・・。

僕(呆れ笑)


トラクターなんて、日常生活でお目にかかることないもんね。

親父・横顔(むっ)


カタログを見てても、まだ刈り終わらないか。
もう少し、操作できねぇかなー。 

親父・正面(メガネ破損)


・・・あ!
十字ボタンの横を押したら、所持している他のトラクターに乗り移ることができたぞ!

僕(えー笑)


なるほど。
1台にはオートで働いててもらっておいて、その間に他のトラクターで違う仕事ができるのかぁ!
(ここに気がつくまで30分) 

ss1
親父・正面(あきれる)


いや。
こりゃ、説明なしでプレイするのは困難を極めるな。
普段は説明書なんて一切見ないが、このゲームはまず説明書を読んでからプレイしよう。 

僕(ニコッ)


そうだね。
たしか、箱に説明書が入ってたはず・・・ 

IMG_2890
僕(失神)


・・・って、まさかのペラ1枚!?

親父・正面(あきれる)


何が書いてあるんだ!?!? 

僕(えーっと・・・)


このペラ1枚にゲームの内容がビッシリ・・・ 

IMG_2888
僕・正面(死に顔)


・・・書いてなかった。

親父・正面(青ざめ)


その操作は、俺たちが30分かけて習得したぞ!!

親父・横顔(ほー)


裏には何が書いてある?

IMG_2889
親父・正面(メガネ破損)


その画面も、さっきAIに刈り取らせてる間、散々見てたわっ!!

僕・正面(目がぐるぐる)


これは・・・予想以上に説明がないね。

親父・横顔(むっつり)


だが、面白いな。
こんなに放り出されたゲーム、ファミコン時代以来だぜ・・・。 
俺の中に眠っていたMっ気が、今再び呼び覚まされる!!! 

僕(えー笑)


トラクターを使っていかに効率よく農業を進めていくか・・・これは、やりごたえがありそう! 

親父・正面(あきれ顔)


プレイし終わった頃には、俺たち。下手な農家よりもトラクターに詳しくなってるかもしれんぞ・・・。




【ポケット農園】

インターグローが3DS向けに発売した農業シミュレーターの『ポケット農園』。
4月4日に6090円で発売された。
海外では「Farming Simulator 2012 3D」として発売され、 スマートフォンと3DS向けに作られた作品。

演出



派手な演出は一切ない。

このシナリオもなければ、主人公すら存在しない本作は、ただただひたすら農業を営むのみ。
ゲームをプレイしている上で唯一の演出といえば「トウモロコシが盗まれました」などの、地味なイベント程度である。
「牧場物語」などの、のほほんとした農業生活を望んで購入すると大やけどは必至。

しかしながら、これはこれで良いように思える。
主人公はおろか、人の形をした物は一切登場せず、出てくるのは農作物とトラクター。手抜きにすら思えてくる踏ん切りの良さは、いっそ清々しさすら感じる。

かなり淡白なゲームに仕上がって入るものの、プレイを一切邪魔されない感じは、新鮮で心地が良かった。


オリジナリティ



オリジナリティは高い。

「農業」という題材に焦点を当てた作品は数多存在するが、それをリアリズムを追求したシミュレーターにしようとは誰も思わなかった。
おそらく、今まで様々なクリエイターが農業シミュレーターというジャンルを思いついたはずだが、どう考えても単調すぎてゲームにならないと、作る前に察したはずである。

それを、本当に作ってしまったのが本作。

冗談にしか思えない本作のゲーム内容は、一部を除いて徹底したリアリズムを追求している。
作物を作るための農作機は、すべて実在する機種。
畑を耕し、収穫。さらにその収穫した作物を販売所まで運搬するのもプレイヤーの仕事である。当然ガソリン代も自分持ち。
めんどくさい行程も、繰り返しの行程も、短縮することなく農作業のすべてを見せつけるという、徹底したリアリズムだ。

逆に、ゲームとしてデフォルメされている部分も多少存在する。
一つは人間。
本作には人間はいっさい出てこない。
故に、トラクターの乗り降りなどもなく、動かしているトラクターとは別のトラクターに移動したい場合は十字ボタンの左右を押すことで瞬間移動が可能。AIによる自動操作と組み合わせることで、効率的な農作業をすることが可能である。

また、当然ではあるが、普通よりも農作物の成長が早い。
だが水やり機などを使うと、農作物の成長が早くなるなどという点は、リアルである。


グラフィック



グラフィックは悪い。
これが本作の難点の1つ。

リアリズムを追求したゲームデザインなのにも関わらず、グラフィックが綺麗ではないため、ゲームへの没頭が妨げられがち。
また、農耕機具の説明もほとんどない中、唯一のヒントが農耕機具の「形」なのであるが、グラフィックが悪く、形で機能を判断することもままならない。

ゲーム自体はリアリズムを追求しているのに、グラフィックはDS並みという点に、少し中途半端さを覚えた。
ハードの制約もあるかもしれないが、「技術の無駄遣い」的な立ち位置のゲームを目指してほしかった。

ただ、マップが広いのは面白い。
いわゆる箱物マップに仕上がっており、足の遅いトラクターでマップをぐるっと1周するのには、結構な時間を要する。
また、マップに無数の車が走っていて、交通ルールを守らないと移動に時間がかかってしまうなど、細かい点でテクニックが要求される点も良かった。


サウンド



サウンドは期待してはならない。
単調で、曲数もきわめて少ない。

リアリズムをきわめている本作に対してサウンドにケチをつけるのは、お門違いな感も否めないが、ゲームである以上、せめて朝、昼、夜に1曲ずつ用意したり、収穫しているときは軽快な音楽を流してほしかった。

SEも安っぽく、もう少し音楽周りには力を入れてもよかったように思える。


操作性



トラクターの操作はクセがあり、人を選ぶが個人的には面白いように感じた。
ただ、メニュー周りが、不親切であるという点。
そして何より、「説明がない」という点。これがネックになってしまっている。

トラクターの操作は難しい。
アナログスティックでハンドルを切る方向を決め、Bボタンで前進。Aボタンで後退である。
これだけ聞くと簡単そうだが、アナログスティックはあくまでもハンドルを切る方向を入力するだけなので、通常の車と同じようにバックの際は、アナログスティックと入力する方向と同じ方向にお尻を振る。つまり、アナログスティックの入力とは逆の方向に頭が向く。

さらに、車には慣性の法則も働いており、アクセルを離しても しばらく滑るというリアル仕様。
また、トラクターは様々な農業機具を牽引するのだが、その牽引するものが大きくなると、それだけ取り回しも難しくなってくる。

トラクターを収穫機に横付けしたり、トラクターのお尻を農作機にドッキングしたりしなくてはならないため、かなり細かい作業が要求されるうえに、さらに操作も やけにリアルで難しい。

この難しい操作には賛否が分かれるだろうが、個人的には好印象。
最初はバックすることすら間々ならないはずだが、長くプレイするにつれ慣れていき、トラクターを自由自在に操ることができるのが楽しい。

操作に関しては好印象を受けたが、メニュー周りには難が残る。
たとえば、本作は3つまでセーブデータを作ることが可能である。だが、そのデータにはプレイ時間と所持金しか表示されないため、どれがどのようなデータなのか分かりづらい。
せめて、セーブデータの難易度くらいは表示してほしかった。

また全体マップが表示できないのも残念。
下画面にマップを表示することができるのだが、表示できるのはプレイヤーの周囲の地図のみ。
大きなマップを行ったり来たりするゲームなので、マップを体で覚えるまで全体マップが表示できないのは大きな負担になる。

そして何より。
本作には、説明がない!!
今までの文章で何度も口にしたと思うが思うが、この説明のなさが本作で一番の鬼門となる。

ゲームが始まると、3、4個のプレイへのヒントが表示されるが、あくまで「ヒント」であり、具体的な操作の方法を教えてくれるわけではない。
それ以外の説明は一切無く、マップ上に表示されるアイコンの説明や、下画面に配置してあるボタンの説明。自分が何をすれば良いのかすら説明されない。
これは、ドSすぎる仕様。

個人的には、過度なチュートリアルは周回プレイの邪魔になったり、テンポを悪くするため嫌いなのだが、やはり あるにこした事はない。
ゲーム本編で説明がないならば、やはり最低限 付属の説明書で説明する必要があると思うのだが、それすらない。現段階では攻略サイトも存在しないため、本作に関しては自力でプレイ方法を見つけ出すしかなく、複雑な操作や知識が求められる本作においては、かなり苦行。

極めつけは農耕機器。
これについても、使い方についてはなんの説明も無く、分かるのは農耕機器の型番と外見のみ。
その外見から、おおまかな使用目的と使用方法を推測し、値段によって性能を想像して購入するしかない。さながら、農業マニアへの挑戦状である。
これらの農耕機具は実在するらしいので、どのような性能なのかネットで検索してみるほか、攻略法がないのではないだろうか。

本作をプレイするためには、寛容な精神と、あきらめない心が必要不可欠。
しかし、その先にはかなりの味わい深く中毒性の高いゲームが待っていてる


満足度



満足度は高い。

本作が面白くなってくるのは、3〜4時間プレイをし、ある程度プレイ方法がわかり、さらにトラクターを複数台持って、自分なりの効率的な農作業を確立した後である。
逆を言うと、それ以前はルールも分からず、操作すらおぼつかないかもしれない。
本作を楽しむためには、かなりの時間 腰を据えてプレイする必要がある。

また、本作にはゴールなどが存在しないため、自分なりに目標を立てて行くことが不可欠。
この点は、人を選ぶように感じた。

どんどん農作業が効率的になっていき、どんどんお金が入るようになると非常に面白い。

また、トロフィーや実績のようなシステムが搭載されているのはモチベーションの維持に繋がる。
これは純粋に楽しめる機能であるように感じた。


総評



間違いなく楽しい作品である。が、楽しいと思うまでには相当な時間を要するはず。

とにかく本作の特徴は説明がないこと。
ここまで説明がないと、プレイして数十分で投げ出したくなる人が続出してしまうのではないかと感じる。
しかし そこを耐えて、じっくり操作を体で覚えて行くと、味わい深いゲームシステムが待っている。
操作が難しいがゆえ 最初はおぼつかなかったトラクターの操作が、慣れてくると一分の隙もないコーナリングができるようになったり、最初は2台だけだったの農耕機具が、どんどん増えて行き様々な機器を一気に扱う猛者に成長していたりと、様々な点で自分の成長を楽しむことができる。
これを実感できるよう、本作はまずは諦める前に最低3時間はプレイしてほしいところ。

難易度は「かんたん」「ふつう」「むずかしい」の3種類が用意されているが、全て遊んでみた印象は どれも「鬼畜」。
どの難易度にせよ説明が全くないので、折れない心が必要不可欠となる。

「周りの農地を全部買収しよう」とか「一面コーン畑にして超高収入農家を目指そう」など、自分で目標を立てないと、永遠繰り返しの作業が続いてしまう。
自分で目標を立てられるかという点も、本作を楽しめるかどうかの大きな分かれ目になりそう。

間違いなく人を選ぶ作品で、これを楽しめる人は間違いなくマゾである。
しかし 不親切ながらも、ゲームデザインはよく考えられており、ゲームデザインの点においては 本作が洋ゲーシミュレーターの一つの完成系なのかもしれない。
3DSで長く遊べるゲームを探している人にはオススメ。

ただし、同内容のゲームがiOSで170円で発売する所を見ると、どうしても6090円の価格設定が高く見えてしまう。
最低4800円程度。できれば2800円で販売してほしかった。

ファミコン時代の洋ゲーを彷彿とさせる説明の無さ。
この 乱暴に突き放された感じは、ある意味 他には無いオリジナリティである。
しかし、ユーザーフレンドリーな作品に溢れるこの時代に、このようなゲームデザインを求めていた人は多いはず。
攻略サイトなども存在せず、自ら攻略しなければならないこの感覚は、懐かしさすら感じる。
親父世代のゲーマーに、ぜひとも遊んでもらいたい作品。



6角形プロジェクト



ポケット農園

Farming Simulator 3D ポケット農園

Farming Simulator 3D ポケット農園

Farming Simulator 3D ポケット農園

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この記事はintergrowが主催する『ファーミングシュミレーター3D ポケット農園』のブログレビュー企画に参加して書いています。本企画への参加及び記事掲載に対する金銭報酬はありません。また、事実誤認の修正及びこの文章の掲載以外、メーカーから記事の内容に対する関与は受けていません。