トップ画像3月30日2012年3月29日発売
PS VITA/PS3『モーターストームRC』
ゲームレビュー
親父・横顔(通常)


これやろうぜ!
これ! 

僕・正面(口あける)


これは・・・『モーターストームRC』?

親父・正面(にやけ顔)


ああ。
PS VITAとPS3で3月29日からダウンロード開始になったダウンロードタイトルだな。 

RC
親父・横顔(にたっ)


値段は800円なんだが、一度お金を払うと、どちらのハードでもプレイが可能になるという、超お買い得なタイトルだ!

僕(えー笑)


両機種持ってたら実質400円・・・たしかに、これは安いね!

親父・正面(笑顔)


まぁ今回は、せっかくだからPS VITAでプレイしようぜ。
レースゲームだったら、動きが激しいし、液晶より有機ELと相性がいいだろ。 

僕・正面(にたぁ)


「モーターストーム」シリーズは、特に動きが激しいもんね。
コースを車でどんどん破壊して、道無き道を突き進んでいく迫力のあるレースゲームだし! 

親父・横顔(ほー)


今回は、いつものナンバリングタイトルとは違って、車がラジコンらしい。

僕(普通)


ラジコンを動かすレースゲームって珍しいね!
ラジコン×モーターストームって、なんかすっごい化学変化が起こりそう!
早くプレイしてみようよ! 

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僕・正面(死に顔)


・・・って!! すっごい、ラジコン!
びっくりするぐらいラジコン!
モーターストーム要素、ないじゃん!

親父・正面(通常)


ほら・・・BGMとかモタストっぽいし・・・

親父・正面(乱心)


・・・あ!
ほら、モタスト名物の物理演算! 
ポールに当たって、ポールが倒れたぞ! 

僕・正面(はなみず)


・・・。

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僕・正面(ほえ?)


・・・あ。
でも、普通に面白いね!  

親父・横顔(通常)


ああ。
爆走する爽快感は無いんだが・・・綺麗にコーナーが曲がれた時の感覚は、他のレースゲームじゃ味わえない快感だな。 

僕(笑顔)


サクっと1分くらいでクリアーできるコースが何十種類も用意されてて・・・テンポいいし。
ヤリ込み要素も多いね!

親父・正面(にやけ顔)


これは・・・「モーターストーム」とは全く別のゲームだが、普通に面白いんじゃないか?

僕・正面(しら~)


というか、なんで「モーターストーム」って名前付けたんだろう。
「ラジコンレース」とかでよかったんじゃないかな? 

親父・横顔(通常)


そうか!
「ラジコン シミュ」の略で『RC』なのか!

僕・正面(え~・・・っと)


いや。
「RADIO CONTROLLED」の略だって。 



【モーターストームRC】

SCEが2012年3月29日にPS VITAとPS3向けに、ダウンロード専用タイトルとして発売したレースゲーム『モーターストームRC』。
価格は800円で1度買うと、PS VITAとPS3。どちらのハードでもプレイすることができる。

一般的なレースゲームとはちがい、プレイヤーが操作するのは車ではなく車のラジコン。
操作も後述するように、左右のアナログスティックをラジコンのコントローラーに見立てて操作する。

プレイの内容は以下の通り。
・コースをクリアーして好タイムを出し、ロックがかかっているコースのロックを解除していく
・成績が良ければ、1コースにつき最大3枚のコインがもらえる
・そのコインの枚数などによってコースや車種がアンロックされていく
また、時間がない人用に150円で全てのコースや車のロックが解除されるコードもPS Storeで販売している。
これを購入すると、自分の好きな順番でコースを攻略して行く事が可能になる。

コースごとに指定されたラップ数を走り3位以内を目指す「レース」。
最後尾から1位を目指す「チェイス」。
指定されたタイム以内に1周する「タイムアタック」。
決められたポイントを獲得するまでの時間を競う「ドリフト」など、様尼なルールが設定されている。


操作性

操作性は極めて特殊。

本作ではラジコンを操作してレースをする事になるが、操作そのものもまさにラジコン。
左右のアナログスティックを、一般的に販売されてるラジコンのコントローラーのように見立てて操作する。右のアナログスティックを上下に動かして前後の動作を。左のアナログスティックを左右に動かして進行方向を調節し、車を走らせる。
あとは、角などにハマって動けなくなった車をコース上に戻してくれるRボタンを使用するだけで、他のボタンは使用しない。

操作は極めて難しく、ラジコンを普段からプレイしてない人にとっては かなり難解。非直感的な操作ではあるが、慣れると非常に奥深い。
常にアクセル全開の他のレースゲームと比べ、慎重なスピード制御とハンドルテクニックが要求されるため、アクセルをどこ入れ、どこでスピードを落とすのか、レースで駆け引きが楽しめる。
爽快感こそないものの、コーナーを綺麗に曲がれた時の快感はひとしおで、
一発で針の穴に糸を通せたかのような感覚。

基本は見下ろし型だが、様々なカメラの設定が用意されてるのは良い。
単純な見下ろし型だと迫力不足になりがちだが、本作のカメラは動的で見下ろし型にもかかわらずスピード感や躍動感を味わう事が出来るカメラ設定にも、全体のコースが見下ろせる設定にもできる。
この使用は◎

メニュー周りは素晴らしい。
直感的で分かりやすいメニューは、迷う事無くコースなどを選ぶ事が出来る。
PS VITA版は、補助操作として背面タッチパメルを使用することもできるが、全てボタン操作で行う事が出来る。この仕様も非常に好印象。

逆に、悪い印象などを持ったのがロード時間。
このロードが本作で一番の問題点。
起動するまで30秒近くかかり、コースの読み込みも10秒以上かかってしまう。
普通のゲームでは10秒は問題ない範囲だが、本作では1レースのプレイ時間が30〜90程度と非常に短い。
テンポの良いゲームが故に、30秒のレースをプレイするのに10秒のロードは少し長いと感じてしまう。
あと5秒早くなるだけで大きく印象がかわっただけに、非常に惜しい。

ただ、コースのやり直しの際にロード時間が一切ないのは◎。

チュートリアルはかなり親切。
ゲームを開始すると、操作方法から、カメラ設定。コースの選択方法やルールまで。しっかり説明してくれる。
ただ、説明書が全6ページで「使用上の注意」しか書かれておらず、「全部チュートリアルで覚えてね。」というのは、少し困ってしまう。


演出

本作にシナリオなどは存在しない。
また今までのシリーズとは違い、レースをする背景なども一切ない。

効果による派手な演出も少ないため、少々地味。


オリジナリティ

オリジナリティは高い。

なによりもラジコンでの操作が新鮮で、今までラジコンをやったことがない人でもラジコンに目覚めてしまうのではないかというほど面白い。

ただ、問題なのが「モーターストーム」要素がほとんどないこと。
メニューの雰囲気や、音楽などは、モーターストームらしさが残っているが、肝心のレース部分はモーターストーム要素が皆無。
ブーストを使って道無き道を突き進み、新たな道路を開拓して行く、いい意味で大雑把なゲームだった今までの「モーターストーム」シリーズとは打って変わり、本作のコースは1本道。緻密な操作が必要で、直線ではスピードを出し コーナーでアクセルを弱める緩急のあるプレイが必要がある。
本作は、ある意味では今までのシリーズと正反対のゲーム性。「モーターストーム」という冠を付ける必要はなく、ルーキータイトルとして出すべきだと思ってしまう。


グラフィック

グラフィックは良くはない。

今までのシリーズの圧倒的なグラフィカル路線とは打って変わって、ノペッとしたグラフィック。
力を入れていないわけではないと思うのだが、クオリティは低め。

物理演算で動くオブジェも少なく、ラジコンだから当たり前だが今までのシリーズのように壁を破壊したり水しぶきをあげたり・・・といった演出は全くない。
ポールや段ボール。転がってるボールなどは、車が当たると、物理演算で動くが、それが動く事によって何かプレイに影響があるわけではない。

グラフィックのクオリティを抑えてある代わりにコース数を増やした感覚。
グラフィックやオブジェなどは、もう少し頑張れたように思えた。


サウンド

ロック調の音楽は非常にクオリティが高いが、如何せん曲数が少ない。

ダウンロードタイトルだから、致し方のないことではあるかもしれないが、収録されている曲数は片手で数えられるほど。
躍動感があり、クオリティが高い分少しもったいない気もした。


満足度

満足度は高い。

とにかくテンポの良い作品。
1レースに4、5分かかる他のレースゲームとは違い、本作は30〜90秒程度。どんなに長くても2分かからない。
さらに、リトライの際の待ち時間は0秒。
難解な操作性のため、難易度は高めだが、トライ&エラーでどんどん挑戦することができる。
それが故に、やはり長めのロード時間が本当に惜しい。

コースのレパートリーも魅力的。
次から次へと新しいコースのロックが解除され、新鮮な気持ちでプレイすることが可能。コースはどれも特徴的で、それぞれ別の攻略法が必要とされるのが良い。

車は様々な車種が用意されており、車の種類によって全く違った操作感になる。
車はカスタマイズが出来るのだが、用意されたカラーバリエーションから好きな色と柄を選択するだけ。少し物足りなさを感じた。

あえてラジコン操作にしか対応してないのは良い判断だと思った。
ふつうのレースゲームだと、なんとも思わないようなコーナーでも、ラジコン操作だとかなりのテクニックを必要とする。
また、右回りのコーナーで左方向に曲がってしまうなど、普通のレースゲームではありえないミスを連発するが、そのモヤモヤがまた楽しく、綺麗にコーナーを曲がれた時の快感は他のゲームでは味わう事ができない。
逆に、スリップしても偶然うまく復帰したりと、運要素が強いのも特徴。
常にアクセルを調節しながら、緩急のある操作を強いられ、どこでスピードを出して相手を抜くのか、戦略性も問われる。新鮮なプレイを楽しむ事ができた。


総評

荒削りながら、良い出来映えの作品だが、今一歩ブラッシュアップの必要性は感じた。

テンポが良いのにロードが長めだったりと、良い部分を相殺してしまってる要素も見受けられるので、改善の余地はある。
また、タイトルがモーターストームを冠しているのに中身はラジコンであることは、モーターストームを期待して買う人を裏切りかねないので、内容の善し悪しに関わらず中身の分かるタイトル名にするべきだったと思う。

ただ、何より本作は手触りが良い。
チュートリアルもしっかりしていて、難易度設定も絶妙。
コースで良いタイムを出すともらえるコインも、ついつい全部コンプリートしたくなってしまう。
テンポの良さと奥深さで、1日1回はプレイしたくなってしまうはず。

難易度は自体は そこまで高くはないが、操作を覚えるまで、難易度は非常に高く感じるはず。
コインのコンプリートはかなりの難易度で、ヤリ込もうとすると相当なボリュームになる。

1周が、短いプレイ時間ながら濃密で白熱するプレイが楽しめる。
それが故に、オフライン1人プレイのみしか対応していないのは惜しすぎる。
オンラインで世界中様々な人と対戦したり、オフラインで友達とチェイスを楽しんでみたかった。

800円とは思えないクオリティと奥深さ。
モーターストームを期待して買うと拍子抜けするが、普通のレースゲームには少し飽きてしまった人には特にオススメな作品で、低価格で長く遊べる満足度の高い作品になっている。
特にラジコン好きにはたまらないであろうラジコンの再現度で、ラジコンの魅力を抽出して凝縮してくれている。
操作を覚えるまで時間がかかるため、万人ウケするとは思わないが、少しでも興味がある人なら買って損をしない。低価格だが高いクオリティの、新感覚のレースゲーム。


6角形プロジェクト