トップ画像3月2日 2011年3月1日発売
PS VITA「Escape Plan(エスケーププラン)」
ゲームレビュー
親父・横顔(にたっ)


これやろうぜ!これ!!

僕・正面(口あける)


PS VITAで3月1日に発売された『Escape Plan』だね。
結構いい値段しなかったっけ? 

親父・正面(通常)


ああ。
1500円だ。
ダウンロード版の中では高めの値段設定だな。 

親父・横顔(むっつり)


だが、このなんとも言えないモノクロの世界観に魅せられてな。
キャラも気持ち悪いが・・・なんか愛着が湧くじゃねぇか。
キモカワってやつか? 

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僕(えー笑)


あー。たしかに。
太ってる方の「ラージ」は、なんか店長に似てるよね! 

親父・正面(あきれ顔)


チビっちゃい方の「リル」はお前に似てるよな。

僕・正面(しら~)


なんと失礼な!

親父・正面(青ざめ)


・・・いや。
言い出したの、おまえだろ。 

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親父・横顔(ほー)


ほほぉ。
一応シナリオも付いてるのか。

僕(呆れ笑)


短いシナリオだけど、あっさりしてて良いね!

僕・正面(慎重)


このゲームは・・・十字キーを使わないの?

親父・正面(通常)


ああ。
基本は画面のタッチや背面タッチ。傾きのジャイロだけで操作していくみたいだな。
チビの「リル」と、デブの「ラージ」を交互に操作して、協力して部屋から脱出していくゲームのようだ。 

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僕(へー)


ふーん・・・基本的に、何も説明はないんだね。
何していいのかサッパリ。 

親父・横顔(にたっ)


ステージを開始するときに、ステージ名が出るが、その名前が攻略のヒントになってるようだな。

僕(唖然)


「副流煙」とか「エレキハットトリック」とか・・・意味深なヒントだね。

親父・正面(あきれる)


けっこう、シビアな操作が・・・あ!

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僕・正面(ぬぎゅー)


死んだね。

親父・正面(おい!)


主人公弱すぎだろ!
ジャンプも出来なければ、ちょっとした段差でもコケて死ぬし!
刃物に触れた瞬間爆発するし! 

僕(しらんぷり)


21世紀になって、ようやくスペランカー先生を越える最弱の主人公が現れたね・・・。

親父・正面(きらーん)


これ、攻略けっこう難しいぞ!
1手順番を間違えると詰むから、最後までの行動を頭の中でしっかりシミュレーションしたあとに、実行しなきゃならねぇ。
頭使うぜ! 

僕(呆れ笑)


そうだねー。
頭だけじゃなくて、正確でスピーディーなタッチが必要だから、大変だねー。

僕・正面(はなみず)


・・・あ。 

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僕・正面(え~・・・っと)


・・・また死んだね。
親父へたくそ。

親父・正面(おい!)


いや、これ!
まず死んでステージ把握しないと、クリアーできないんだって! 

親父・正面(馬鹿顔)


というか、なんでジャンプもホフクも出来ないのに、死に方のレパートリーだけ豊富なんだよ!!!



【Escape Plan(エスケーププラン)】

SCEからPS VITA向けに発売されたダウンロード専用タイトル『Escape Plan』。
2012年3月1日に1500円で配信された。

ジャンルはサバイバルストラテジー。
「リル」と「ラージ」の2人を交互に操作し、二人の特性を生かしながら、部屋に仕掛けをかいくぐって行く脱出ゲームとなっている。

「リル」や「ラージ」をフリックすると、フリックした方向にゆっくりと歩き出す。また歩いてる最中にキャラクターの上をタップすると、その場で止まる。2人共通の基本的な操作はこれだけ。
あとは、2人それぞれに特殊な操作が存在する。
体の小さい「リル」はコーヒーを飲むとダッシュが可能。
また、ガスを吸い込むと風船状となり、オナラにより移動が可能となっている。
体の大きい「ラージ」は、下方向にフリックする事でモロい床を破壊する事が可能。
また、右か左に高速でフリックすると転がって壁を破壊する事ができる。


演出

演出は良い。

「シナリオ」というほど大層な物ではないが、一応ストーリーが存在する。
ストーリーモードを進めて行くと、何ステージかごとに短い紙芝居のようなシナリオが入る。
1つの絵につき2、3行しかセリフが書いておらず、かなり短いストーリーだが、ちょっと不思議で意味深なシナリオは想像力をかき立てる。
あっさりとして、プレイを邪魔せず非常に良い。

世界観も素晴らしい。
モノクロのみで構築された独特な世界は非常に新鮮で、見た目はグロいキャラクターも
一挙手一投足が可愛らしく、だんだんと愛着が湧いてくる。


操作性

操作性は全く新しい体験ができ 良いのだが、難点も残る。

本作では基本的にタッチとジャイロしか使わない。
アナログパットやL/Rボタンも補助的に使用することになるが、基本の操作はタッチとジャイロのみ。
部屋の気になる部分をタッチし、仕掛けを動かしながら、キャラクターを同時進行で動かし部屋を脱出することになる。
この操作は非常に新鮮で、背面タッチパネルで後ろからノックをすることで部屋の「杭」を押し出したり、PS VITAの前面と背面を親指と人差し指で持ち、風船状態の
「リル」をツマムことで、リルにオナラをさせ移動させたりと、今まで体験したことのかった様々な操作は、触っているだけで非常に楽しい。
はじめは「同じ事がスマホでも出来そう」と感じながらプレイしたが、最後までプレイするとPS VITAならではの操作に感動する。

しかしながら、それが欠点に直結する。
部屋の操作とキャラクターの操作を同時進行で行わなければならないため、とにかくタッチが忙しい。
そのため、片手で持ち、片手でタッチしまくるという操作を強いられる。
またステージクリアー時に、クリアーにかかった時間とタッチをした回数で評価が決まる。
普通に持つと背面タッチパメルが誤反応し、タッチの回数が増えて評価が悪くなるため、PS VITAのギリギリ
の部分を持つ事になる。
ちょっとした理科だが、片手でPS VITAの端を持つと、テコの原理で非常に重く感じ疲れる。

この欠点は長所と裏表の関係にあるため、一概に「背面タッチパメルは使うな!」とも言えず、なんとももどかしい。
唯一の改善方法はPS VITAが軽くなる事くらいだろうか。

ちなみに本作はチュートリアルが付いていない。
ステージを進めて行くことで、新しいアクションを少しずつ教えてくれるようになっている。これは非常に好印象。
しかしながら、かなり放任的。
序盤は操作の基本を教えてくれるが、どこをタッチすればいいのか、など詳しいヒントは一切なし。
中盤以降はまったくヒントがなくなる。
様々な それっぽいオブジェを総当たりでタッチすることにより、ちょっとずつ操作を覚えて行くことになる。

ロード時間は短めだが、もう少し短ければ完璧。
ステージをクリアーし、次のステージに進む際は5秒ほど待たされる。あと2秒早くなるとサクサク感が出るような気がした。
死ぬなどして、同じステージをリスタートする際には1、2秒の待ち時間。これは◎


オリジナリティ

オリジナリティは高い。
フロントタッチパネルや背面タッチパメル。ジャイロなど、PS VITAの特性のみで操作する、全く新しい体験が出来るゲーム。

他のPS VITAタイトルのように、新しい機能をとりあえず操作に組み込むのはのではなく、
新しい操作のみで、どのようなゲームが実現できるか考えられてるため、プレイしていて鬱屈にならない。

先述したように世界観も独特で、オリジナリティが高い。
何も説明は無いが、逆にそれによりバックグラウンドに壮大な物語が秘められていそうに感じさせる。


グラフィック

グラフィックは良い。
モノクロなので、グラフィックには期待していなかったが、細かいところまで書き込まれていて素晴らしい。

とりわけ質感がすばらしく、モノクロが故に、質感が伝わるよう非常に
努力しているのが伝わってくる。
白と黒のみで描かれているのにも関わらず、「これは熱そう」「これは柔らかそう」など、質感が分かる。この再現力には脱帽。

「リル」や「ラージ」や敵ボスの「バクーキ」などの、キャラクターもこのゲームの魅力の1つ。
気持ちが悪いが、どこか愛らしいキャラクターデザインと、ちょこまかと動くキャラクターモーションは素晴らしい。

ただ、潰されたりと少々グロテスクなシーンもあるので、プレイする前に耐性があるかどうか注意が必要。


サウンド

サウンドは良い。

基本的にステージでは、BGMとしてクラシックが鳴り続ける。
ポップな曲や歌詞付きの曲も数曲入っているが、基本的にクラシック。
選曲は非常にセンスが良く、世界観とマッチしている。

しかしながら、アレンジ加えてもいいように思えた。
よく聞くクラシックが、そのまんま入っており、これではCDをかけながらプレイしていても変わらない。もうヒトヒネリ欲しかった。

SEは素晴らしい。
グラフィックの項目で先述した素晴らしい質感の再現も、この完成度の高いSEがあってこそ。
ゴムっぽい音や、砂っぽい音など、様々な効果音が収録されており、どれも完成度が高い。
「リル」や「ラージ」が死んだ時の音が耳に残って離れないのは自分だけだろうか。

また、声も良い。
キャラクターは、映画「ウッドペッカー」のような意味不明な言語をしゃべる。
何を言っているのか分からないが、何を言わんとしているのかは、よく分かる。
愛嬌があり、とても可愛らしい。


満足度

満足度は低くない。

タッチやジャイロのみの操作なため、適当にプレイしてもなんとかなりそうに見えるが、実際にプレイしてみると、かなり頭を使う。
クリアーのためには、シビアな操作と、理論的な思考が必要。
順番を1手間違うと死んでしまうステージもあれば、やることは分かっても操作が難しく死んでしまうステージも存在する。
ステージの仕掛けも絶妙で、難しいステージをクリアーしたり、ふとクリアー方法が思いついた時は、言葉にならない
充実感と達成感を味わう事ができる。

何度も死ぬことで罠を確認し、先に進めるのが基本的なプレイスタンス。
死ぬと、キャラのお腹に書かれた数字が増えて行き、
死んだ回数が分かるようになっている。オシャレ。

本作は、「リル」と「ラージ」を救出する事が目的のストーリーモードと、20機死んだ時点でプレイが終了となるチャレンジモードが存在する。
どちらのモードもステージは同じで、70以上の部屋で構成されている。
ストーリーモードのみをプレイすると3時間弱でクリアーできてしまうため、かなり短めのプレイ時間となっている。

もう少し長く遊べるようにしてほしかった。
2倍のステージが用意されていてもよかったように思える。

ちなみに後日、追加コンテンツが配信予定とのこと。


総評

本作で一番気になったのは、とっつきの悪さ。
シナリオが理解不能だったり、何をしていいのかわからなかったりと、序盤は なかなかゲームに入り込めない。
中盤くらいまで進めると、だんだんと面白くなって行き、いつの間にか時間を忘れてプレイをしてしまう。
どんどんステージ構成が複雑になって行き、頭をフル回転させる必要が出てきた頃から、完全に中毒になる。
・・・が、ゲームの魅力にドップリとハマったくらいの段階でゲームが終了してしまう。非常にもったいない。
もう少し、序盤から楽しめるような作りにしたり、ステージ数を増やして欲しかった。

トロフィーはゴールドトロフィーが最上位で、数は少なめ。
比較的取りやすいが、「全てのマップで死ぬこと」や「つまずいて5回死ぬこと」など、やたらとネガティブなトロフィーが多く、斬新といえば斬新。

難易度はゲーマーに取っては ちょうど良く、カジュアルユーザーにとっては少し高め。
かなり高難易度のステージも用意されているが、飛ばして難しかったら後回しに出来るため、進めなくなる事はない。

タッチ数やクリアーに要した時間によって3段階の評価を受ける。
先述した通り、プレイ時間は3時間とかなり少なめだが、最高の評価を得るためには全く無駄のない動きが必要とされ、難易度がもう一段階上がる。
ステッカーを集めるなどヤリ込み要素もあり、最高ランクの評価を得ようとすると、詰め将棋のような面白さが出て来て中毒性は非常に高くなる。
1周するだけなら3時間で終わるが、全て遊び尽くすには長い時間がかかる。

荒削りの作品だが、切れ味は良く、短いプレイ時間ながらプレイし終わった後の充実感は高い。
また中毒性も非常に高いので、追加コンテンツに期待したいところ。

ゲーマー向けというよりも、ゲームをあまり遊ばないユーザーに向いているように思う。
値段相応の面白さが詰まっている、頭を使うゲームが好きな人には是非プレイして欲しい佳作。


6角形プロジェクト