トップ画像12月27日2011年12月17日発売
PS VITA「アンチャーテッド - 地図なき冒険の始まり -」
ゲームレビュー
親父・横顔(にたっ)


これやろーぜ、これ!

僕(へー)


アンチャ?

親父・正面(笑顔)


ああ。
PS VITAでローンチタイトルとして発売された『アンチャーテッド - 地図なき冒険の始まり -』だ。 

僕(えーっと・・・)


えーっと、これで・・・シリーズ4作目だっけ?
ナンバリングされてないのは分かりづらいね~。

親父・正面(呆れ顔)


海外だとナンバリングされてるんだけどな。
日本だけは「まだシリーズが浸透していない。」という理由でナンバリングの数字が外されたんだよ。 

僕(えー笑)


まぁ、シリーズの4作目とはいえど、携帯機では初だからね!
どこまでメインシリーズに近づけてるか、必見だね! 

001
僕(失神)


うぉおおおお!!
これはすっごぉおお!!

親父・正面(あきれる)


あ・・・ああ。
ちょっと身震いする美しさだな。
他のローンチタイトルとは、頭一つ分 飛び抜けてるぜ・・・。

僕(呆れ笑)


そういえば、今回はネイトの若い頃の話なんだよね?

親父・正面(にやけ顔)


「1」よりも前の話になってるらしい。 

僕(しらんぷり)


でも、相変わらずの握力なんだね。 

親父・正面(あきれ顔)


ああ・・・おそらく、ゲーム史で最も握力の強いキャラクターなのではないかと・・・。
スペランカー先生くらいなら、ネイトの握力だけで殺せそうだ。 

親父・横顔(ほー)


ちなみに、今回はアナログスティックでの操作とは別に、タッチでなぞるだけで、タッチした部分を自動的に移動する機能が追加されたぞ。
岩場やハシゴ。ロープなんかはタッチするだけで登れるらしい。 

僕・正面(え~・・・っと)


ふーん・・・また、タッチの無理強いかぁ・・・。 

006
僕・正面(え!?)


・・・あ。
でも、偏見なく使ってみると、案外 便利かも。

親父・正面(にやけ顔)


そうだな。
タッチでこれから移動するべき道をなぞれば、それにネイトがついてくる。
ネイトが移動している間に、進むべき道を考えることができるというのは便利だ。 

僕(えーっと・・・)


のわっ!
敵が出て来たよ! 

002
僕・正面(うるうる)


・・・あ。
でも、結構簡単に倒せるね。
敵が柔らかいよ。 

親父・横顔(通常)


いや、この前発売された”3”が固すぎるだけだと思うぞ。
このくらいバシバシ倒せた方が爽快感があって、気持ちが良いじゃねぇか。

僕(えーっと・・・)


あわわわわ。
今度は足場が崩れ始めた! 

親父・正面(にた笑)


くるぞ・・・くるぞ・・・

『あー、やべやべやべやべやべ!!』
親父・横顔(むっつり)


おー。
アンチャといえば、この台詞だよなー。 

僕(えー笑)


まぁ、このセリフの後は、大抵助かるジンクス。
やっぱり、このセリフを聞かないとアンチャプレイした気分がしないよね~。 



アンチャーテッド - 地図なき冒険の始まり -

2011年12月17日にPS VITAのローンチタイトルとしてSCEから発売された『アンチャーテッド - 地図なき冒険の始まり -』。
もとはPS3で展開されていたシリーズで、本作が携帯機としては初となる。
据え置き機版の開発元は全てノーティードッグが行っているが、本作の開発はSCEベンドスタジオ。ノーティードッグは技術的なサポートのみに徹している。

謎解き要素と銃撃要素を交互に行うのが、このゲームの特徴。
主人公は本作もネイト・ドレイク。
無敵でもなければへまもするが、古代史の知識と冒険のセンスは一級。様々な仲間と共に、歴史の謎を解明することになる。


演出

演出は非常に良い。

シナリオは導入からテンポが良く、飽きさせない展開。
ムービーは、従来通り映画を見ているようなカメラワークで、ちょくちょく入るアメリカンジョークもあって見ているとまさにプレイできるアクション映画。
プレイヤーが操作している最中もキャラクターは絶えず話をしているため、ムービーシーンでなくとも掛け合いを楽しむ事ができ、プレイが単調になりにくほか、シナリオを補完する役目も果たしている。またゲーム進行のテンポも良くなり、やり直し作業なども苦になりにくいメリットも。

ゲーム中、都合良く配置された壁の出っ張りや、それに運よくぶら下がるシチュエーションがあり、ご都合主義な面もあるものの、それはご愛嬌。
主人公ネイトが崩壊する足場の上で「あーやべやべやべやべ」と言いながら都合良く逃げていいくシーンは、もはや定番で、このB級映画のような 胡散臭さこそがこのゲームの魅力の一つ。

マップが遺跡発掘現場であることが多いため、ステージ全体が複雑な形状をしており一見迷いやすいが、正解のルートは1つのみで、基本は一本道。また、共に行動している味方キャラがルートの先に立って誘導してくれるため迷う事はほとんどない。
大切な移動手段である「掴める壁」は黄色になっており、掴めない壁と区別できるようになっていることも迷子を防止する良い要素。


グラフィック

VITAの威力を存分に発揮している素晴らしい出来映え。
ローンチタイトルとは思えないほどのクオリティの高さで、グラフィックのみ見れば間違いなくローンチタイトルとしては1番の完成度。

リアルタイムレンダリングで展開するムービーシーンは、携帯機とは思えないほどの迫力がある。
本作の舞台はジャングルで、太陽の日が葉と葉の間から射しこんでいる風景や、木々が生い茂っていて うっそうとした暗い情景を、携帯機ながら見事に再現。
全体的にコントラストが高く鮮やかな風景で、「黒が綺麗・画面が鮮やか」という 有機ELディスプレイの特徴を生かした絵作りがなされている。

『舞台はジャングル』と一色単に言っても、実際には洞窟や急流などバリエーションは様々。その全てが細かく書き込まれていて見入ってしまう美しさ。

グラフィックやモデリングの作りこみは、人間、銃、草木壁などのステージオブジェクト等全てにおきPS2のクオリティを超えており、いうなればPS2.6レベル。
相変わらず「水」の再現がとてもリアルなのには驚かされた。水面での乱反射、水底の景色の半透過、泡の消える様等々。
最初の導入の地形など、ところどころで川や小さな水流が存在しておりその再現が実写かと思うほどリアルである。とりわけ川下りのマップは目を見張る物があり、ボートで一瞬のうちに過ぎ去ってしまうマップもしっかりと書き込まれている。1周で1秒しか見ない背景なのにも関わらず勿体無い程の素晴らしい出来え。

その他シリーズを通して搭載されている、水に浸かったとこまでジーンズが濡れるなど細かいギミックも、携帯機ながらもしっかりと搭載されており、感心させられた。

グラフィックは完璧であるが、あえて違和感のあるところをあげるなら2点。
水面の凹凸や映り込み処理をポリゴンで再現しているわけでなく、バンプマップで1枚のポリゴンに あたかも凹凸や反射があるように見せているため 水面と岩のポリゴンの境を見ると水面が凹凸のないタイルだということが見えてしまうこと。それと水面に自分キャラが映らないこととくらい。
このくらいしか文句のつけどころがない。

このゲームではバンプマップは、ほぼ全部のグラフィックに駆使されており、岩や壁、ボロボロ民家の細かい凸凹やひびは、見る方向によって反射する光の明るさが変わるので凹凸に立体感があるように見える。
それにより、本当はローポリゴンなのに大量のポリゴンを使用しているような世界がリアルタイムで再現できている。この作り込みと再現力には脱帽。

人間に関しても同じように、服のシワから髪、皮膚の質感など細やかな作りで、キャラの表情から真意を汲み取ることもできる。

影の処理に関しては、さすがにアップで見ると影がカクカクしていることに気づいてしまう。デプスシャドウの性質上の問題やVITAのスペックの限界なのであろうから仕方がないものの、一部のムービーシーンでカメラがアップになりそれが大きく目立つ点があったのが気になった。カメラワークでうまい具合に目立たなくするなど、ちょっと工夫があってもよかったように感じる。
しかしながら、光源からの直接光だけでなく、その光が拡散して二次的な光源となって柔らかい影を出すSSAO技術も存在しているようで、やはり影の再現技術は極めて高い。

プログラマブルシェーダが可能になった初の携帯機であるPSVITAのローンチタイトルでいきなりこれらをやってくるところは、他のソフトと一線を画す存在となりえている所以であり、後にも先にもこのソフトに匹敵する綺麗さのものはなかなか出てこないのではないだろうか。

水の表現と比較して、炎の表現には少し難有りで、炎のところだけ解像度の悪さが目立つ。これはテクスチャのサイズの問題では無いようで、近くで見ても遠くで見ても低解像度のピクセルが見受けられる。
しかしながらリアルな炎に程遠いというわけではなく、PSPやPS時代のいろいろな炎と比べ格段に進歩してリアルになっている。ダイナマイトを爆発させるど迫力のシーンでこの炎によるチープ感は全くなく、むしろフレームレートの低下が起こらない分リアルに感じた。そもそも携帯機だということを判断材料に入れればこの程度の欠点はなにも気にすべきことではない。

屋外シーンで、逆光で光が溢れ見えてくる擬似HDRレンダリングも多く散見されており、壮大な風景のシーンをよりリアルなものにさせており非常に良い。

フレームレートについては、終盤の洞窟内の特定の場所で処理落ちが見受けられた。ただ、出現した敵を片付けてその場所に戻ったら処理落ちが直っていた。

グラフィックに関して総評すると、突出した技術ではなくトータルバランスによる高評価。
期待値が高かった分だけ辛口になったが、ここまでVITAのシェーダ機能をうまく使いこなし、限界まで挑戦してくれているタイトルは今後ともお目にかかれないのではないか。
そもそも改善できるところが見当たらない。限られた携帯機の演算資源という枠組みの中で、ベストになるようにバランスよく処理を落ち着かせているところは まさに神がかっている。


オリジナリティ

オリジナリティは低い。

基本的にゲームの進行は今までのシリーズと変わらないが、無理矢理VITAの特徴を使おうとした結果、後述するようなオリジナリティというよりも奇抜な操作性になってしまった。

本作の最もウリになっているのは、タッチで壁の突起やツタわたりが出来るという仕様で、指でルートをなぞることによりボタン操作以外にタッチでルートを指示できる。これは、イガイにも使いやすかった。

しかしながら、敵との格闘戦がタッチ操作のみでボタン操作はできなかったりと、特殊なアクションはタッチを使わないとプレイできない仕組みになっている部分はマイナスポイント。

また、タッチで紙を木炭でこするという動作や、地図の欠片をタッチで移動&回転をさせてつなぎ合わせるミニゲームなど、ゲームの随所でタッチが強要される。
ボタンで操作している人にとって、この操作が要求されるたびにテンポが崩れてしまう。

また、”1”で評判のよくなかった、傾きセンサーで細い棒の上を平均台のようにして歩く操作がなぜか復活。
オリジナリティを出そうとしているのはよくわかるのだが、そのほとんどは不要。
純粋にグラフィックのみで勝負できたタイトルなだけに、このオリジナリティが蛇足に。


サウンド

BGMは相変わらずハイクオリティ。
文句なしの出来映え。

映画ぽさを意識した、主人公や味方キャラの感情を反映したBGMで、感情移入しやすい環境を作っている。

誰もいないジャングルや廃遺跡といった場所では基本無音。環境音はひそかに鳴っており、ステージの雰囲気をミステリアスに際立たせる。

しかしながら少し気になたのは終盤の方で洞窟音がバリバリと割れる現象があったこと。VITAのスピーカーとイヤホンどちらでも試したが、音割れは直らなかった。
また、少し過去作品の使いまわしが見られたのも、マイナス印象。

キャラにジャストフィットした配役・演技。
声優の演技力は、相変わらずとてつもない。文句なしの演技に仕上がっている。


操作性

操作は、オリジナリティの項目で先述したように、タッチパネルを強要するところが×
しかしながら、それ以外は良好である。

格闘戦がタッチしか受け付けないなど、終盤でタッチミスから即ゲームオーバーとなるイベントがあるのは痛い。タッチは意外とシビアで、たまにミスをしてゲームオーバーになることも。

スナイパーは背面タッチでズームが行なえ、それなりに便利ではあるのだが、△ボタンなど 他に空いているボタンがあるのにもかかわらず背面でしか操作できないのは残念。

また、壁の突起やツタわたりで、ボタン操作以外にもタッチ指でルートをなぞるとネイトが自動でそのルートを渡ってくれるのは、片手間に操作できて使いやすい。

個人的には、壁ジャンプでジャンプする方向と真逆にVITA本体を傾けてると、ネイト自身もジャンプ方向に向かないという仕様があり、寝ころびながらゲームしていると「ここで壁ジャンプできる」と気づけない場合があるというところがマイナスであった。

読み込み時間はプレイ開始時を除き皆無。
ストレスフリーで快適にプレイする事が出来る。

操作性に関しては、格闘操作だけはどうしてボタン併用にしなかったのか理解に苦しみ、ローンチでよくある無理やり新ハードの機能を使ってみた感が否めない。
格闘以外は意外とタッチとの相性がいいものもあり、特に壁わたりでこのタッチ移動を重宝したので好印象。


満足度

満足度はそこそこ高い。

グラフィックはさることながら、前半の話は展開が早いためテンポ良く楽しむ事ができ、後半は”例の相棒”の登場など熱い展開により夢中となる。

全体のボリュームも丁度いい。ローンチということを鑑みれば少し多いくらい。
脇目もふれずガンガン突き進むと、10時間程度でクリアできる。
またオートセーブで、途中のチェックポイントも多い。そのため何度も同じ所で死んでやり直しになっても煩わしさがないことも高評価。

また、本作にも隠しアイテムが点在。
作品の歴史背景の理解の助けになる、遺品や石ころなど、マップに様々なアイテム落ちており、メインシナリオとは別にアイテムを探しを堪能することができる。


総評

アクションとアドベンチャーが交互に入れ替わるのが特徴の本作。
銃で戦うゲームが苦手な人でも弾切れを気にすることなく遊べるため、敷居はかなり低くなっている。

難易度はデフォルトの中級モードでも、それほど敵がいるというわけではなく、銃を持つのが初めての未経験者でもいけるような難易度。前作の”3”に比べ易化している。

VITA本体に記録される「トロフィ」の種類はなかなかに多く、1周しただけでは約15%くらいしか埋まらない。 

謎解き要素は多く見られるが、特に頭を使わないといけないものはなく、こちらが何かを解くのはせいぜい絵を一致させる程度のことくらいしか要求されない。このようなアクション以外の要素が、そこまで頭を使わないため単純作業となり、テンポを悪くしてしまって中盤の中だるみを助長してしまっている感は否めない。

またゲーム中、様々な場面で要求されるタッチの操作が、全体のテンポを崩してしまう。
このような、今までのシリーズではなかった細かい不満の積み重ねが、モチベーションの低下につながってしまい 非常にもったいない。

批判点も多く垣間見る作品だが、それは全体のクオリティが高いが故に欠点が目立ちやすいだけ。ここまで完成度の高いゲームはなかなかお目にかかれない。そもそも、間違いなく携帯向けゲームのなかではトップの出来映え。
VITAローンチにおいて、看板タイトルの名にふさわしい出来映えで、PS VITAを手に入れたらまずプレイしてみてほしい完成度の高い作品。


6角形プロジェクト


アンチャーテッド - 地図なき冒険の始まり -

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